電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)から、災害時やアウトドアで100V/200Vの家電を使えるようにする「外部給電器(V2L機器)」。
導入には国や自治体から高額な助成金(補助金)が出ますが、地域によって条件や受付状況が大きく異なります。
今回は、令和8年度(2026年度)の国および1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)の最新情報を、具体的な金額シミュレーション付きで網羅してご紹介します。
【はじめに】「補助率」や「対象経費」って結局いくら安くなるの?
補助金の案内にある「補助率1/2」や「対象経費」という言葉は少しわかりづらいですよね。
今回は、人気の高いホンダの外部給電器「Power Exporter e:6000」(定価:約80万円・税抜)を購入した場合、実際にいくらで買えるのかを具体例付きで解説します!
1. 国の補助金(次世代自動車振興センター)
国の「V2H充放電設備・外部給電器の導入促進補助事業」は、外部給電器の購入を強力にサポートしていましたが、令和8年度分はすでに予算満了に達し、受付を終了しています。
- 助成金の上限額:上限 50万円(補助率 1/2)
- 主な条件:
- 次世代自動車振興センターに登録された対象機器(ホンダ Power Exporterなど)であること。
- 対応する電動車(EV・PHEV・FCV)を保有、または期間内に発注していること。
- 原則5年間は処分(売却など)せずに保有すること。
- 対象期間:2026年4月1日〜(※申請殺到のため、2026年8月下旬に早期終了)
- 公式URL:https://cev-pc.or.jp
ホンダ(約80万円)を買った場合の国費シミュレーション
国の補助金が間に合っていた場合、計算は以下のようになります。
- 計算:80万円 × 補助率 1/2 = 40万円補助(上限50万円の枠内)
- 実質負担額:80万円 − 40万円 = 【約40万円】
2. 地方自治体の補助金(1都3県)
国の補助金が終了していても、地方自治体独自の外部給電器(V2L)補助金はまだ間に合う可能性があります。
① 東京都(クール・ネット東京)
東京都は、個人・事業者ともに全国で最も手厚い外部給電器助成金を実施しています。
- 助成金の上限額:上限 40万円(助成対象経費の1/2)
- 条件:都内に住所を持つ個人、または都内に事務所・事業所を持つ法人であること。
- 対象期間:機器の購入日から1年以内に申請(令和8年度事業として受付中)。
- 公式URL:https://tokyo-co2down.jp
⚠️ 【大誤解に注意!】国+東京都を合算した場合のリアルな落とし穴
「国から1/2(40万円)、都から1/2(40万円)出るなら、実質0円で買えるのでは?」と思ってしまいますが、ここに大きな罠があります。
東京都(クール・ネット東京)の併給ルールは以下の数式で厳格に決まっています。
都の助成額 =(本体価格 × 1/2)− 国の補助金額
ホンダの外部給電器(約80万円)で、国の補助金(40万円)が間に合っていたケースを当てはめると、
- ステップ①(都のベース計算):80万円 × 1/2 = 40万円
- ステップ②(国の補助金を引く):40万円 − 国の補助金40万円 = 【東京都からの助成金は 0円】
つまり、国の補助金(40万円)をもらってしまうと、東京都からは1円も出なくなります。
- 合計補助額:国の40万円のみ
- 実質負担額:80万円 − 40万円 = 【約40万円】
現在(秋以降)に東京都単独で申請する場合
現在は国の補助金が終了しているため、引き算される「国の補助金」が0円になります。
- 東京都の補助金:80万円 × 1/2 − 0円 = 40万円補助
- 実質負担額:80万円 − 40万円 = 【約40万円】
結論として、ホンダの機器(80万円)を導入する場合、国と都が両方あっても、都単独になっても、ユーザーの実質負担は「約40万円」から変わりません。読者の方が「損をした!」と勘違いしやすいポイントなので、購入時は必ずこの計算式を意識してください。
② 神奈川県
神奈川県が実施する令和8年度の県単独補助金は、共同住宅等への「充電インフラ設置」に特化しています。そのため、可搬型の外部給電器(V2L)単体への県独自の補助金は用意されていません。
- 対象期間:(県としてのV2L補助はなし)
- 公式URL:https://pref.kanagawa.jp
神奈川県(県単独)のシミュレーション
- 県の補助金:0円(国も終了しているため、県の制度だけでは補助金なし)
- 実質負担額:【約80万円(定価通り)】
※ただし、後述する「市区町村単位」のローカル補助金を使えば、ここから数万〜十数万円安くなる可能性があります!
③ 千葉県
千葉県では、令和8年度は県内の中小事業者等(法人・個人事業主)向けに外部給電器の導入支援を行っています。現状、県単独での「一般個人向け」のV2L補助はありません。
- 助成金の上限額:上限 50万円(補助対象経費の10分の1以内)
- 条件:千葉県内の中小事業者等であること。可搬式の外部給電器の購入費が対象。
- 対象期間:令和8年5月1日〜令和8年12月24日まで(先着順、予算に達し次第終了)。
- 公式URL:https://chiba.lg.jp
千葉県(中小事業者)のシミュレーション
千葉県の法人が、国の補助金終了後(秋以降)に県単独で申請する場合:
- 千葉県の補助金:80万円 × 補助率 1/10 = 8万円補助
- 実質負担額:80万円 − 8万円 = 【約72万円】
④ 埼玉県
埼玉県においても、県単独で実施している「家庭における省エネ活用設備導入補助金」等の対象は太陽光や蓄電池、V2Hなどがメインであり、一般個人向けの外部給電器(V2L)単体への県独自の補助金はありません。
- 対象期間:(県としてのV2L補助はなし)
- 公式URL:https://saitama.lg.jp
埼玉県(県単独)のシミュレーション
- 県の補助金:0円(国も終了しているため、県の制度だけでは補助金なし)
- 実質負担額:【約80万円(定価通り)】
※神奈川県同様、お住まいの「市区町村」に独自制度があれば安くなります!
3. 【重要】県がダメでも諦めない!お住まいの「市区町村」独自の補助金を要チェック
神奈川県・千葉県・埼玉県のように「県」としての個人向けV2L補助金が出ない地域であっても、その下にある「市」「区」「町」「村」が独自に外部給電器(V2L)の補助金を出しているケースが多々あります。
市区町村独自の補助金を活用した例
たとえば、国の補助金(40万円)が間に合わなかった地域でも、地元の市役所が「一律10万円補助」という独自のスマートハウス補助金を実施していれば、以下のようになります。
- 国の補助金:0円(受付終了)
- 市役所の補助金:10万円
- 実質負担額:80万円 − 10万円 = 【約70万円】
自治体によっては、「国の補助金が終わってしまった秋以降の購入でも、市独自の枠で先着順で受け付ける(令和9年3月末まで)」という親切なルールになっているところもあります。
損をしないために、まずは購入前に検索エンジンで以下のように検索してみてください。
「(お住まいの市区町村名) 外部給電 補助金」
例:「さいたま市 外部給電 補助金」「川崎市 V2L 補助金」




