EV i3泥縄生活スタート 3 | 株式会社ABE MOTORS

高橋二朗(タカハシ ジロウ)

モータースポーツジャーナリスト。
GIRO Co., Ltd.代表 日本モータースポーツ記者会会長 NPO法人日本モータースポーツ推進機構理事。
国内外のモータースポーツイベントを取材、各誌に寄稿、発表。1983年よりルマン24時間レースを取材。
1989年にインディ500マイルレースで東洋人初のピットリポーターとして現地から衛生中継。
BS放送 J SPORTSのSUPER GT、SUPER FORMULA他シリーズのピットリポーター、解説。
SUPER GTトークバラエティ番組【GTV】のメインMC。

EV i3泥縄生活スタート 3

EVについて分からないことがありすぎるので、EV早わかりを思案していた時に頭の中で電灯が灯りました。そうだ、友人ジャーナリストにEVに詳しい人物が居た。まだ日本国内でEVの【E】の字も朧げな時期、1994年に日本EVクラブの発足に加わり、理事、副代表のM氏のことを思い出したのです。最近連絡していなかったけれど、メールを送ったらすぐに返信があり、今度は電話をかけて、おじさん同士が久しぶりに長電話。<立って居る者は親でも使え>と親父の教えに従って他力を最大限に使わせていただいたのです。日本EVクラブにご興味のある方は、同団体のホームページをご覧ください。

http://www.jevc.gr.jp

BMW i3のリポートのバナーもあります。M氏曰く、EVは単純。アクセルを踏めば走り、戻せば止まる。そして、アクセルをいっぱい踏めば、瞬く間に電池内の電気残量が少なくなる。いかにアクセルを踏み続けることなくスムースにクイックに走らせるかがキモ、と。M氏のお言葉によって、子供の頃に電車の先頭車両に乗り込んで、ガラス越しに運転士さんの真後ろに陣取って電気の使い方を見ていたことを思いだしました。そうでした、電車の運転士さんは、発車の時にはレバーをいっぱいに押し込んでいたけれど、措定の速度に達したらレバーを戻す。その瞬間に駆動トルクが抜けたのを感じ、惰性で走っていたのを知りました。EVも同じである、と。しかし、電気をあまり使わないようにしようと思いすぎて加速時のアクセルの踏み込みを躊躇するのは良くない。踏む時は、踏む。そして必要以上の踏み込みはしない。アクセルのオン&オフはメリハリをつけてキビキビと走る。それがEVドライビングの極意であると。何やら仙人の下で教えをいただき修行しているような気になったのですが、それを実行すると平均消費電力が一気に少なくなったのです。やはり友人のM氏はEV仙人だったのでしょうか。

でも、当初は<メリハリ>を意識しすぎて、スムースなドライビングとは程遠い状況でした。横に乗った家人に不評で、不評で「運転、下手クソ」と強烈なコメントを浴びせられ、運転免許を取得してから約40年の自信を一気に失いました。キモのキモは、アクセルを戻すタイミングとその量ですね。戻しすぎると強烈な回生ブレキーによって、体が前のめりになるほど。運転している自分がそうなるのですから、同乗者にとって不意の前のめりは、ビックリと不快のダブルパンチでしょう。「前のクルマ(320d)の方が良かった」と言われてしまい、ciccioに対して本当に申し訳ないと思った次第。<メリハリをつけてギクシャク>から、日夜ワンペダル快適ドライビングの修行を経て今や<メレハリをつけてもスムース>を会得し、文句のコメントを聞くことは殆ど無くなった今日この頃です。お陰様で右足のスネ、前脛骨筋が発達したような気がします。ブレーキペダルは、かなり手持ち無沙汰でしょう。

仙人からの教えでセンセーショナルだったのは、内燃機関自動車とEVで一番大きな違い。エンジンと電気モーターでは、エンジンに対してモーターは100分の1の速さで操作、作動が行える。ciccioが来て当初は、以前の320dのアクセルワークと同じようにしていたのでギクシャクするのは当たり前だったのです。クルマ生活様式、ドライビングの根幹であるアクセルワークを変える、変えられたEV泥縄リストであります。まだまだ、EVストとして道半ばであります。これからも高みを目指して精進する毎日であります。【EVは右足と見つけたり】・・・です。

スムースで効率的なドライビングは、常にBMW i Connected Driveでチェックしています。スマートフォンにアプリケーションをダウンロードして、<eドライブ>で直近のドライブの<効率>を確認。5つ星の数で評価してくれます。デジタルゲームに興味はないのですが、ゲーム感覚で楽しんで、かつ実益にリンクするアプリですね。200kmくらいの高速道路走行で星4つをゲットしたのがこれまでの最高評価でした。都内走行では、大体3つ星。都内で4つ星、5つ星をゲットすることはできるのか。これを目標したいと思っています。

JIRO’S essay back number
PAGE TOP