(JIRO’S essay 最終回)スタッドレスで1年
1年以上のご無沙汰です。
前回のエッセイは、昨年のまだ寒い時期。ciccio quattroにスタッドレスタイヤ、HAKKAPELIITTA (ハッカペリッタ)R3(155/70R19)をフィットして雪の軽井沢に行き、そのインプレッションをお届けしました。目的地までの高速道路、関越自動車道から上信越道は完全なドライ路面。R3は、サマータイヤのNOKIAN HAKKA GREEN 2とキャラクターがとても似ていて、スタッドレスタイヤを履いていることを忘れてしまうほど。そして、雪道に行けば、しっかりとスタッドレスのパフォーマンスを発揮してくれました。
ドライのパフォーマンスが素晴らしいので、という言い訳を考えつつ、なんと1年以上R3を履いたまま過ごしていました。実は、ズボラなだけの話なのですが・・・。サマータイヤから履き替えたのは、2022年の2月8日。オドメーターが14,917Km。そして、春が過ぎ、夏、秋、そして再びの冬を迎えて、都心でも雪が積もれば、足元をR3で固めているという恩恵を再認識。R3にとっての2回目の春を迎えて、ようやくサマータイヤへのチェンジオーバーを決断。Abe Motors さんに図々しく預かっていただていたGREEN 2へ。
4月18日に交換作業をお願いしました。その時のオドメーターは、28,964Km。1年2ヶ月で14,000Km以上を走行していました。GREEN 2と同じく溝の深さを示すセイフティインジケーターは、8(mm)から始まっています。それが、フロント【6】そして、リヤが【4】という表示までトレッドが摩耗。i3もBMWファミリーの一台ですから重量配分は前後ほぼ50:50ですが、この数値の違いは、動力輪がリヤであることを如実に示していますね。この間に走行している路面状況は、99.9%がドライ路面。それを考えるとSDGsが喧しい近年では、サステナビリティーが高いタイヤであるという評価ができますね。ドライとスノー(完全なアイスはトライできず)のパフォーマンスが良いタイヤです。日本と比較するともっと長く極寒のコンディションが続くフィンランドで開発されているタイヤであって、北欧の方はもしかすると多くが通年スタッドレスを使用しているのではないかという思いも湧いてきました。
i3のラインオフではB社のECOPIAが装着されていて、スタッドレスタイヤは、同社のラインアップには存在しない。ECOPIAは、20インチ。トレッド175、アスペクトレシオが55だった。GREEN 2、R3は19インチなので阿部商会さんにはホイールでもお世話になりました。アスペクトレシオが70になったことは乗り心地に大きく寄与してくれて、マイルドになったのはとても良かったことです。しかしながら、トレッドが155になり、かつ扁平タイヤではなくなって最初は少し心配でしたが、コーナリング中の不安感は全くなかったのが不思議なほどでした。ある時、友人が「なんだ、このクルマ。俺のバイクよりも細いタイヤを履いているじゃないか(笑)」と言われたことがあるのを思い出しました。実はトレッドが155のタイヤを履いたのは、初めて。アスペクトレシオ70は、40数年ぶりでしたね。i3のサスペンションとNOKIANタイヤたちとのマッチングにはとても満足しています。このタイヤサイズは、i3専用タイヤと言っても良いのでしょう。そのパフォーマンスのレベルは高く、スタビリティは高性能タイヤ並みです。その一例ですが、首都高速道路4号線を使うことが多く、都心に向かって初台と代々木の間にある右、左の二つのややタイトなコーナーでブレーキングをせずとも安定して切り抜けることができるのがとても気持ち良いです。並走してきた超高性能車がエキゾウストノートをけたたましくシフトダウンしながら減速する様を見て、優越感で思わずニコリ。
2020年12月に納車され、2年と5ヶ月が過ぎようとしています。年間平均10,000Kmを快調に走行しています。ひとつだけ、無謀にciccio quattroを伊豆の山道に連れ出し、深い轍で左フロントタイヤの後ろあたりのアンダーボディーをヒット。モーターの冷却フルードパイプがその上に通っていて、パイプに亀裂が入ってしまい、交換しなくてはならなかった。それが唯一ボクが起こしてしまったトラブルです。
今回でJIRO’S essayを終えます。EVオーナーの方々の参考になったとしたら幸甚です。お付き合いいただきありがとうございました。