EV i3泥縄生活スタート 1
第一回目のエッセイで書かしていただいた通り、<さあ、EVに乗るぞ>と意気込んだわけでもなく、i3オーナーとなったボクです。320dからの乗り換えを決めてから、EVとi3に関する情報を仕事の合間に貪るようにチェックしました。正に絵に描いたような泥縄状態。全ての情報に「へーっ」と感嘆することしきり。そして、同時に市場に送り出されているEVについてもチェックしてみて、i3のポジションを探る作業が始まったのです。でも、はっきり言って、雑誌やネットでもi3の情報は、あまり多くはなかったのが現状でしたね。
いったいi3はどのようなクルマなのか。納車時点では、i3というクルマとの付き合い、クルマ生活様式まで根本的に変わる、変えられるとは、夢にも思わなかった。
2020年末にi3が納車されました。このようなスタイリングのクルマに乗るのは初めて、EVだからというだけでなく、デザイン自体がとてもユニークな存在。フロントデザインにBMWの象徴でもあるキッドニーグリルはあるけれど、これまで自分が乗ってきたBMW達とは、全く異なる乗り物という感覚がとても強かった。ある日、居間の棚に飾ってあるお気に入りのオブジェと妙に似ていると思った。そして、ニックネームをつけることにしたのです。「ciccio quattro」三つ置物があるので四番目のお気に入りとしました。家人が一見して「わーっ、子豚みたいに可愛い」と言ったのもニックネームのきっかけでもあります。
さて、i3の情報収集で見つけたweb CGさんの記事。元日産のエンジニア、レースの世界でもお世話になった水野和敏さんのインプレッションによって、i3というクルマのEVにおけるポジションを初めて分かって、再び「へーっ」そうなのか、なるほどと納得した次第。本来なら導入を決める前からi3の魅力を把握してから手にするのが流れなのでしょうけれど、なにせ【泥縄】なのものでして、お許しを。水野さんは、ご自身が開発責任者を務めた日産GT-Rとこのi3の開発には同じようなコンセプトをもつ開発プロジェクトが創り上げたのではないかと述べています。<既存の概念を捨て、新しい基準と評価方法を用いてクルマを創る手法>がGT-Rとi3には共通している。そして、ドライバーズシートに座った瞬間に同じにおいを、そして走り出した瞬間に「んっ?これは!」と感じたそうです。詳しくは、web CGさんの「水野和敏的視点Vol.48、49 i3」を検索してみてください。2014年の記事なので最新の仕様と少し異なるスペックがあります。悪しからず。しかし、現在のi3に関してもその開発コンセプトは一貫していると思います。
ごめんなさい。ボクは一般車を扱うジャーナリストではないので、GT-Rは、数百メーターしか走らせたことはない。当然GT-Rの凄さ、その性能を体感したこともない。仕事現場のサーキットではSuper GT 500クラスのGT-Rは間近で見ているのですが、そのオリジナル車、ロードゴーイングのGT-Rのことは殆ど分からない。凄いクルマなのだろうな、くらいです。そのGT-Rとウチのciccioが・・・。水野さんの記事を読んでから改めて愛車に敬意を表することにしました。でも、i3がそんなクルマだなんて夢にも思っていなかった。ciccioは、ひどいオーナーに出会ったと嘆いていることでしょう。
i3が来てから約2ヶ月、いまだに取扱説明書と睨めっこしながらi3というクルマを理解する努力の日々が続いております。これほど一生懸命にクルマの取扱説明書を読んだのは初めてです。誤解があると困るので、お断りしておきます。ドライビングに関してはすこぶるシンプル。快適そのものです。アクセルペダルを踏み込めば、とてもスムーズに走り出し、戻せば減速して、通常の走行ではブレーキを使う、踏むことも必要もありません。快適ワンペダルドライブを味わっています。これも新たなクルマ生活様式のひとつ。そして単純ではありますが、そのアクセルワークは微妙な操作によってかなり電気使用量の効率が変わってくる。シンプル故の奥深さがある。もっぱら効率ドライブを心がけて、どのような走りが良いのか探り、楽しみながら、通勤や所用の際のドライブをしています。効率のチェックは、BMW Connected DriveとiPhoneをシンクロさせて行っています。クルマとiPhoneのシンクロは、これまで電話の通話くらいだったのでしたが、リモートでエアコンを起動することもできるので、寒い朝などに乗り込んだ瞬間暖かな車内というもの体験しています。でも、電池の消費量は嵩むでしょう。こんなことを言っていると色々なクルマを乗りこなしているモータージャーナリストさん達に馬鹿にされそうです。
乗れば、乗るほどi3についての発見があり、EVの知識が少しずつ増している今日この頃であります。